塗料を塗る作業に欠かせないプライマー。素材に対し塗料の付きを良くしたり、強度を保つなど重要な役割があります。主なメーカーでは様々な素材に塗ることができるミッチャクロンマルチや、環境に配慮され匂いも少なく塗装後の後始末が楽なアサヒペン水性シーラーなどがあります。
塗料の膜厚の違いや塗りやすさ、また容量や形状などプライマーと言っても多種多様な製品が販売されていますが、今回は塗装作業に重要な役割を持つプライマーの選び方や人気製品を詳しくご紹介します。選ぶ際の参考にしてみてください。
目次この記事でおすすめする商品
プライマーの選び方
プライマーには油性タイプと水性タイプがあり、素材や上塗りする塗料の種類によっても選び方が違ってきます。また、容量も大きな缶から手軽に施工できるスプレータイプなど、素材の大きさや塗る回数によっても考慮しながら製品選びをしておくことが重要です。
厚塗り薄塗りかで選ぶ
プライマーの厚塗りと薄塗りとは、製品の膜厚の違いです。薄塗りタイプをもっと膜厚が欲しいからとたっぷり厚塗りしてしまうと、乾燥に時間がかかり次の作業効率が悪くなったり、割れやヨレができて失敗することもあります。素材の状態や施工場所によって、上手にプライマーの膜厚タイプを選んでおきましょう。
空気が入りにくい、しっかり塗れる厚塗りタイプ
厚塗りできるタイプは、粘度も高くしっかりした塗膜で素材を保護、強化し上塗り塗装の付きを良くします。耐久性も高いため、屋外の建築や防音、防錆、遮熱などの機能を持たせた高品質なものは、航空機用塗料の下地調整材にも使われています。
サラサラで粘り気が少ない薄塗りタイプ
粘り気のないサラサラした水のような粘度の薄塗りタイプは、浸透性に優れた製品が多くあります。素材の吸い込みが激しい場合、高浸透性のあるプライマーを塗ることで先にプライマーを吸い込ませ、後の上塗り塗料の吸い込みを防ぎムラをなくす効果が期待できます。
タイプで選ぶ
プライマーには、施工範囲や塗り重ねる回数によっても必要な容量が違ってきます。成分が変化しないようにできれば使い切りサイズで選んでおきたいですね。また、素材の性質によってはプライマーの主成分も合う合わないがあります。
大規模な作業におすすめな大容量の液体タイプ
本格的な塗装作業で広範囲を施工する時には、大容量の缶タイプがコスパもよくおすすめです。大容量タイプは、リッターで内容量が
表示されている製品や、重さのキログラムのみの表示製品があります。
施工範囲、塗り回数、希釈の有無も含めて適切な容量を選んでおきましょう。使い切りが基本ですが余った場合、水性プライマーは布や新聞紙に浸み込ませ乾燥させてから捨てられますが、油性プライマーは引火の恐れがあるので、浸み込ませた新聞紙や布を水で濡らしてから適切に処分が必要です。
また容量が多いと小分け作業をされる方もいますが、油性の場合近くに引火の恐れがあるものは置かないように気を付けておきましょう。
細かい作業におすすめなチューブ入りのタイプ
出典:amazon.co.jp
細かい作業に便利なチューブタイプは、簡単に持ち運べ使いたい量だけ出して使用できるので便利です。主にシーリング作業の下処理に使用されます。使い切らない時は、先端の固まりに備え、変えのノズルがあると次にスムーズに使えます。DIYなどで気軽に使えるので女性にもおすすめです。
簡単に使えるスプレータイプ
プラモデルなど小型の素材や狭い範囲の塗装には、スプレータイプのプライマーが便利です。噴きムラができやすいので、試し噴きが必要ですが、使い残しも保存しやすく、後処理も楽なガス抜きがキャップに取り付けられた製品もあります。
400mlほどの容量が多く、ツルツルした面にもヤスリがけなしに噴けるタイプや万能密着タイプなど種類も豊富にあります。
主成分で選ぶ
プライマーには、アクリル系、エチレンス酸ビニル系、ウレタン系、エポキシ樹脂系など異なる主成分があります。アクリル系は、モルタルやセメント素材、エチレンス酸は塩ビ、アクリル、ABSに適しています。
また呼吸をする木材が素材の場合、唯一勧められるのがウレタン系プライマーなど、素材の性質に直に触れるプライマーは化学反応も起こしやすく、性質が合っていると剥がれにくく、間違った使い方をしてしまうと塗ったプライマーが泡を吹いたり、素材の割れなどブリードと言われる現象を起こすことにも繋がってしまいます。
用途に合わせてしっかり主成分と適用素材を確認することが重要です。
速乾性かどうかで選ぶ
下地塗料のプライマーは、その乾燥時間によっては作業の順序や予定にも大きく関係してきます。水性プライマーより油性プライマーの方が乾燥時間は短く、およそ水性プライマーが3~4時間かかるところを油性では40~60分で乾燥できるなどその幅はかなり違ってきます。
施工範囲が狭く、作業効率を上げたい時は速乾性のプライマーが便利です。速乾タイプは水性プライマーにもあるので、下地の状態や上塗り塗料に合わせて適用できる速乾タイプを、季節や気温によって表示時間より多少変わることも考慮しながら選んでおきましょう。
その他の機能で選ぶ
プライマーには、上塗り塗料の付きを良くするだけでなく、より機能を持たせた機能性プライマーがあります。特に鋼材はブラストの下処理をするとすぐに錆びてきます。その錆を防止し、溶接や溶断など加工しやすいように亜鉛粉末量を抑え、機能性を持たせたものが無機ジンクリッチプライマーで、機能性プライマーと呼ばれています。
同じような過程で使用されるエッジングプライマーやジンクリッチプライマーがありますが、エッジングはプライマーの後の上塗りまで
数日耐えうる第1種、3カ月まで可能な第2種、ジンクリッチは6か月の屋外防露に耐えれるプライマーとして重防食塗装に使用されています。
エッジングプライマーは無機質上塗り塗料、ジンクリッチプライマーはアルキド樹脂系、油性塗料の上塗り塗料は使用できません。
適用可能な塗料の確認も重要なので必ずチェックが必要です。
プライマーのおすすめ人気ランキング
人気のプライマーをランキング形式でまとめてみました。塗りやすさや使いやすい形状などよく売れている商品はどんなタイプか見てみましょう。
1位 アルテコ 瞬間接着剤用 硬化促進剤 スプレープライマー 100ml
瞬間接着剤の硬化促進剤
瞬間接着剤での接着作業時にシュッとスプレーすると、瞬時に硬化を促進できるプライマーです。接着剤のみの場合、固まるまで固定したり手で押さえておく必要がありますが、そんな時にこの製品をプラスするとすぐに固まり作業効率が上がります。
プラモデルなどの模型作りには欠かせないアイテムとして人気が高く、大容量の420ml製品もあります。独特の匂いがするので換気が必要な点とスプレー式だけに対象物の近くから吹きすぎると吹き溜まりとなり、接着部分にムラができるので注意しておきましょう。
2位 アサヒペン 水性シーラー ライトレモン 7L プライマー
後始末も水で出来る水性プライマー
ホルムアルデヒドの放散量が最も少ないので、屋内のコンクリートやモルタルにも下地として安心して塗れる下地プライマーです。水性なので、絶えず水濡れがある屋根や床面には適していません。
薄めずに塗れるため、下地を何度か繰り返し塗りたい場合や作業範囲が広範囲の場合は7Lか14Lがおすすめです。7Lでおよそ畳21~42枚分、35~70m2の面積が可能です。
3位 ミッチャクロン マルチ スプレー 420ml
耐薬品、耐水、耐蝕性に優れたマルチ製品
様々な素材に対応し、ペーパー研ぎがなくてもピッタリ密着するので作業効率の点でも優秀なプライマーです。また速乾性にも優れていて気温20℃で20~30分ほどで乾きます。
プロの現場でも使用されるほど定番の製品ですが、ノズルからの粒子はやや粗めなので拭きすぎると垂れやすくなります。特にスプレー缶は塗料用のスプレーガンに比べ、拭く量の調整が難しいので試し拭きの後に使用しましょう。この製品容量では、およそ2~2.5m2の面積に塗布が可能です。
4位 NSハイフレックスHF−1000 18kg
コンクリートの表面張力に似た塗膜
吸収調整材として吸収の激しい下地に塗布し、その後の素材の密着性を高めるだけでなく、セメントとの混和性も良いため混入もでき、一般的な混入用ポリマーディスパージョンに比べ強固に結合します。
また耐水性、耐摩耗性、耐衝撃性、柔和性にも優れていて長期間安定した接着効果があります。
5位 ロックペイント 水性シーラー ロック水性マルチシーラー 4L
薄めなくても塗りやすい水性プライマー
水性で匂いも少なく塗料自体の伸びもいいので塗りやすいプライマーです。コンクリート、モルタル、フレキシブルボードなどの下地として使え、上塗りの塗料の付きも良いですが、ラッカーやシンナーなどの強溶剤型塗料が上塗り塗料の場合は下地として適していません。特に屋根やベランダの防水材には強溶剤型塗料がよく使用されているので確認が必要です。
6位 アサヒペン 強浸透性水性シーラー クリヤ 7L
浸透力に優れ防カビ効果も期待できる
素材の奥深くまで浸透し、耐久強化にもなる水溶性の製品です。またカチオン系下塗り剤なので、カチオン樹脂の効果で耐アルカリ性と付着性に優れ上塗り材の密着も良くなります。粘度は低くさらっとしているので、ローラーや刷毛で塗る際は垂れないように気を付けて使用しましょう。
7位 ロックペイント プラサフ クライマックス4.9kg
コシのある塗料感で垂れにくい
プラサフクライマックスとプラサフ硬化剤がセットになった製品で、厚盛り性、充填性が高くスプレーガンでも使用しやすいのが特徴です。また原料がTXフリー、鉛、クロムフリーの環境型で施工者にとっても優しい改正労働安全衛生法に対応した塗料となっています。
8位 ジョリパットシーラー 16kg 透明 JS-800
ホルムアルデヒド放散量基準の最高等級製品
アイカ工業のジョリパットシーラーは、化学物質の放出を最大限抑えた環境にも優しい水性プライマーです。屋内でも安心して使用でき、カチオン系の高浸透性で下地のテクスチャーを損ねることなく上塗り塗料の密着にも優れています。16㎏は、一度塗りで80~160m2範囲の面積に施工できます。
9位 アサヒペン メタルプライマー 300ML クリヤ
残ったガスも捨てやすいガス抜きキャップ付き
非鉄金属であれば上塗り塗料がラッカーや水性、油性でも下地として使用できる使いやすいスプレー式のプライマーです。銅、真ちゅう、アルミニウム、ステンレスなどの塗装には、直接塗料を塗るよりこのプライマーを下地にすることで塗装の持ちが格段に良くなり、透明色なので錆止めとして使用もできます。
10位 ミリタリーペイントブランド 万能プライマー
使用済みになっても飾っておけるオシャレなデザインが魅力
一見アメリカ製にも見えますが、この製品は日本製で屋外、屋内のどんな素材にも使用できる水性万能プライマーです。伸びがいいので塗りやすく、DIYに女性でも扱いやすい塗料です。使い終わった後は水で洗い流せ、そのまま飾っておきたいほどのデザイン性も人気が高い理由かもしれません。
アルテコ 瞬間接着剤用 硬化促進剤……
788円
アサヒペン 水性シーラー ライトレ……
4,879円
ミッチャクロン マルチ スプレー 4……
878円
NSハイフレックスHF−1000 18kg
7,650円
ロックペイント 水性シーラー ロッ……
4,102円
アサヒペン 強浸透性水性シーラー ……
6,026円
ロックペイント プラサフ クライ……
8,640円
ジョリパットシーラー 16kg 透明 J……
5,723円
アサヒペン メタルプライマー 300M……
658円
ミリタリーペイントブランド 万能……
3,780円
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製品
最安値
評価
リンク
4.8
4
4.15
4.4
4.62
4.32
4.2
3.95
5
作業の効率性を高める専用ノズルなどもおすすめ
出典:amazon.co.jp
プラスチック用塗装に使われるスプレー式のプライマーには、パターン変更できるノズルが別売りしている製品があります。
特にスプレー口に付着したプライマーが時間と共に固まり、詰りや吹きたい箇所にうまく当たらないといったことも細かい作業時にはよくあることなので、変えのノズルがあると大変便利です。一度に使い切らない時にも、常備しておくと安心ですね。
まとめ
いかがでしたか?
塗装の際、そのまま塗料を塗るのではなくプライマーで下処理することにより、素材の強化や塗料の持ちも良くしてくれる無くてはならない製品です。プライマーを乾燥させ上塗りするという手間はかかりますが、仕上がりや耐久性は格段に良くなります。
しかし、塗料と素材の両方に接触するので、それぞれの成分に合ったプライマー選びが重要です。選ぶ時は素材の状態や上塗り塗料の成分も合わせてチェックしておきましょう。